徳島市議会に汚点を残す議案が賛成多数で可決

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以下、私の行った反対討論です。

 ただいま提出されました議員提出議案第4号「虚偽の陳述に対する告発について」に対しまして、反対の立場から討論します。

 この議案は、令和4年10月12日、市役所で開かれた百条委員会の証人喚問で、加戸議員が証人として、偽りを述べないことを宣誓したうえで証言した際、虚偽の陳述をしたため、告発をするというものです。

 「虚偽の陳述」とは、判例によれば、その内容が客観的事実(実際に起きた出来事)に合致するかどうかに関わらず、証人の記憶に反する陳述をすることをいいます。つまり、自分の記憶に従って陳述した場合には、仮に陳述内容が客観的事実に反していたとしても、偽証罪は成立しないことになります。記憶のとおりに陳述すれば偽証罪に問われることはないということになります。
「私は言っていません」と否定した加戸議員の証言が、記憶に反した虚偽の陳述をしたと到底見なすことができないため、告発には至らない点を指摘します。

 まず、議案には「告発の事実」として、 加戸議員は、平成30年7月下旬、市が市税の滞納処分として預金の差し押さえを行った案件について、日下納税課長と職員Hを市議会の応接室に呼び出し、「分納中の差し押さえはひどい、無効だ、取り消せ。」「差し押さえを解除しないと議会で追及する、わしは次の選挙でも当選するから覚悟しておけ、わしが言い始めたら岡どころではないぞ。」「日下と職員Hをすぐに首にせえ、とばしてしまえ。」と発言したという日下納税課長の証言に対し、加戸議員は「私は言っていません。」など、事実を否定する陳述をしたとあります。

 日下納税課長の証言が事実であるかのように書かれていますが、加戸議員と日下納税課長、職員Hとの会話は、記録もなく、録音テープもなく、平成30年に交わしたやり取りを、およそ2年も経過した令和2年度になってから職員が記憶をさかのぼって作成した要望等記録様式により、調査が行われました。
 加戸議員にいたっては、実に4年以上が経過した令和4年10月に証人喚問が行われています。

 百条委員会の委員である古田委員と美馬委員が弁護士と一緒に作成した、調査報告書に対する修正案8ページには、「言うまでもなく、人の記憶は次第に薄れたり、消えたり、また変わっていくものである。その点を踏まえると、かなり時間が経過したあとの記録は、それ自体事実から変容している可能性があるものとして慎重に取り扱うべきであるにもかかわらず、それがなされていない嫌いがある。」と、百条委員会の調査方法の問題点が指摘されています。
 4年以上も前のやりとりを、加戸議員と日下納税課長それぞれが、今どんなふうに覚えていて、覚えているとおり証言したのか、それとも覚えていることと違うことを言ったのか、確実に判断できるでしょうか。

 覚えているとおり証言していれば、たとえ事実と違っていても、虚偽の陳述に当たらず、偽証罪は成立しません。
 まして、加戸議員と日下納税課長、職員Hとの間で、実際にどんなやりとりがあったのか証拠がありません。正確な事実を知ることができません。それにもかかわらず、加戸議員の「私は言っていません」という証言だけを記憶に反する虚偽の陳述と強引に結論付け、告発までしようとするのが、この議案です。

 「告発に至る経緯」では、加戸議員と日下納税課長の証言が食い違うことについて、市職員が虚偽の証言を行うことは考えられない」と書かれています。
 先ほど古田議員が反対討論を行った調査報告書18ページの「結論」にも、「日下証人の証言内容が極めて具体的・迫真的であり、事実に基づかずに創作できるような内容ではない上、日下証人が偽証罪の制裁を覚悟してまで虚偽の証言を行う動機は認められないため、発言が行われた事実を認めることができる。」と結論付けていますが、百条委員会で虚偽の陳述をすれば、3か月以上5年以下の禁固に処するという重い罰則があります。議員も偽証罪に問われれば社会的信用を失うなど、大きなリスクがあります。偽証罪の制裁を覚悟してまで虚偽の証言を行う動機が認められないのは、議員も同じです。

 同じく調査報告書20ページの「告発」では、加戸議員の「証言は、証言態度からして、記憶違いや勘違いによるものであるとは考えられないため、自己の記憶に反した虚偽の陳述をしたことになり」と書かれていますが、証言態度というのは、それを見る個人個人の立場や感情などにより、見方や感じ方などが非常に左右されます。
 古田委員と美馬委員が弁護士と一緒に作成した調査報告書に対する修正案13ページにも、「虚偽とは、客観的事実との相違ではなく、証言者の記憶との相違を言うのであるから、何をもって虚偽とするのか極めて難しい。」と書かれています。
 弁護士も極めて難しいという判断を、調査のプロでない議員が的確にできるでしょうか。

 まして、百条委員会の委員長は、かつてゴミ収集業者を巡る百条委員会で、不当な働きかけを行ったと認定された岡議員であり、当時百条委員会を提案したのが加戸議員、当時の委員長は山本議員でした。
 さらに、当時の百条委員会は市長派5名、反市長派5名と同数でしたが、今回は市長派6名、反市長派2名と、大変偏った委員会の構成であり、数の力で告発へ誘導することは可能です。
 古田議員の反対討論、船越議員の質疑にもあったように、これは虚偽告発罪に問われかねない告発です。

 よって、数の力で犯罪に仕立て上げるような議員提出議案第4号「虚偽の陳述に対する告発について」には反対です。
 議員の皆様には良識ある判断をお願いしまして、私の反対討論を終わります。